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セルフカット~やればやるほど下手になっていく不思議の巻

   

床屋は嫌いだ、美容室はもっと嫌いだ。

こんにちは、私です。

皆さんは、髪の毛を切ってもらうのは好きですか?
嫌いだという人にはあまりであったことがないので、おそらく世の大多数の人は、髪の毛を切ってもらうことは楽しい時間なのでしょう。

だが、私は違う。

人に髪の毛を切ってもらう時間は楽しくない。

髪の毛を切り終わって、「今日はこんな感じでいいですか?」と理美容師さんに言われて、心から納得したことがない。
内心では「全然よくねえよ、こことここがこうでここがこうだ」と思う。
だけど、理美容師さんには笑顔で「はい、ばっちりですありがとうございます。」と言ってしまう私がいる。

ある時にふと気づいた。

あれは今からさかのぼること約20年前、私が高校生1か2年生だった夏の土曜日。

夕方、髪の毛が伸びてきて暑苦しくなった、だけど床屋に行くのはめんどくさい。そんなジレンマを抱えながら数分。

ふと気が付いたのです、「自分で髪の毛を切ったら床屋に行かなくていいじゃん。」と。

これはまさしく灯台下暗し、コペルニクス的転回です。

高校生と言えば思春期真っただ中、前髪こそ命なのが世の常です。

だが、私は違いました。オシャレボーイなど程遠い暗い学生です。

散髪の失敗くらいどうってことはありません、第一プロに切ってもらっても納得などしたことは一度もありません。

そう思い立ってからは早いものでした。

緑色の工作用のハサミとくしをもってお風呂に。

ヘアカットの知識などもちろんありません。
あるとすれば工藤静香が広め、一世を風靡したシャギーという言葉のみ笑

ただ、私は性格上人の観察をよくするタイプですので、床屋さんがどのように髪を切るのかをずっと見てきましたので、何となくは雰囲気はありました。
また、その床屋さんが前髪が伸びたとき、セルフでどう切るかを教えてくれたことがあって、それはハサミを縦に入れて切ることと言っていた記憶がありました。

そんな記憶を頼りに、ひたすら自分の髪を工作用ハサミを縦に入れてカットしていきました。

するとどうでしょう、試行錯誤しながらも自分が思い描く髪型になったのでした。

翌週、学校に登校しても誰からも変だとも言われることはありませんでした。

大体、人は他人の髪型などどうでもいいのです。

短くなった、デザインを変えた、色を変えたなどは目につきますが、それは一瞬の感覚なだけで、案外どうでもいいものです。それは冷たいとか興味がないとかそういう問題ではない気がします、人間の心理的にそういう問題なんだと思います。

髪を切った本人だけ、あーだこーだと思い悩むところですが、人は自分の髪型に興味はありません。

と、高校時代の私はわかったような気がします。

でも、人間としての私に誰も興味がないという考えもぬぐえません。

ヘアカットの技術は向上していった

その後、すきバサミや髪の毛を切る用のハサミを買ったりと道具をそろえ、セルフ刈り上げまでできるようになっていきました。

さらに技術は向上し、ハサミとくしだけで難なく自分の思い描く髪型になっていました。

もちろん、人がじっくりと見たらガタガタのボコボコなのですが、人は7割から8割くらいの完成度があればそれに違和感を覚えないのだと思います。

ただ、理容師のいとこに久しぶりに会った時には、お前一体どうしたんだ?とすぐ言われました。プロから見たら一目瞭然で変だったみたいです。

それから10数年が経ち~

セルフカットを始めてから、床屋に行くことは完全になくなり、散髪イコール自分となりました。

高校、大学、社会人と年齢を重ねてもセルフカットで歩んできました。

ある時、散髪したいがめんどくさいという気持ちが高まりました。

人は困難や悩みにぶち当たったときに新たな道が開けるといいます。

それは、20年前のあの日と同じ。

ポクチン(一休さんが答えを出すときの音)です。
ハサミが面倒ならバリカンを使えばいいじゃない。と

そうです、ハサミならば何回も何回も手を動かす必要があるけれども、バリカンなら一瞬です。

すぐさま、電気屋さんに走り、バリカンを購入。

快適なバリカン生活。

バリカンにはいろいろなアタッチメントが付いていて、アタッチメントを付け替えるだけで簡単に指定した長さに切りそろえることが出来ます。

ハサミと比べるとそれはもう簡単快適。

あっという間に、ヘアカットの完成です。

今までのヘアカットはいったい何だったんだというくらい簡単。

そこからは、ハサミを使うことはなくなりバリカン生活でした。

だが、ここ最近。

散髪をするたびに、思い描いた髪型にならないのである。

切れば切るほど腕が落ちていくのである。

やればやるほど上手くなった過去とは違うのです。

アラフォーの宿命、髪の毛が少なくなってきたという物理的な理由もありますが、そうではないのです。

頭頂部ではなく、サイドのカットがしっくりこないのである。

はっきり言ってスランプです。

20年ぶりに床屋に行こうかとすら思う今日この頃。

ここはいったん、初心に戻ってハサミに戻ったほうがいいのだろうか。

もしくは、思い切っていつもと違う髪型にしてみようか。

楽しかったセルフカットが、最近では不安と緊張に支配されるようになってきた。

明日、そんな不安を抱えながらも自分の髪と格闘してみようと思います。

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