糠床と私~さよなら大好きな人
諸行無常
物事には始まりがあれば終わりがあるもの。
物事に永遠な物はないのです。
ふとしたきっかけで出会い、ときめき、楽しく過ごした日々。
気が付けばそれは終わりへの道のりだったのかもしれない。
なんて、数行にわたって暗いことを書いてきましたが、何かって言うと、タイトルの通り、糠床です。
当ブログ内で何度も登場した糠床がとうとうダメになってしまったのです。
糠床は一人では生きられない。
糠床は、毎日かき混ぜてあげなければどんどん状態が悪化していく生き物。
嫌気性と好気性の菌がお互いちょうどよいバランスで生息する環境が、よい糠床です。
混ぜてやらなければ、嫌気性が勝ってしまいバランスは崩れ、やがてそこはカビだらけになり、糠床の一生は終わってします。
糠漬けを食べない私だが、糠床を混ぜ合わせると言う習慣を趣味として楽しんでいた。
だが、そんな趣味長続きはしない。
だって糠漬けを食べるわけではないし、糠床が私に話しかけてくるわけでもない。
気が付けば月日は流れひと月経った頃、恐る恐る糠床をのぞいてみた。
目の前が真っ暗に。
糠床を見た私は目の前が真っ暗になった。
そう、以前までのまるで上品なお酒のようなにおいではなく、もうそこはカビの世界。
匂いも見た目もカビ。
糠床がカビのベールをまとっているのであった。
それを見たときに、糠床との楽しい思い出が走馬灯のようによみがえってきた。
戻れ、生き返るんだ糠床!!
だが、もう時は遅かった。
どうやっても、あの元気な糠床は戻ってこない。
糠床、君との日々は楽しかった。
またどこかで会おう。
なにかはわからないが
つ づ く