トンカツを食べるたびに思う、幸せとは何か。
今晩の夕食はトンカツでした。
トンカツが食卓に並ぶたびに、思うことがあります。
自分はちょうどいい幸せの中にいるのだから、決して欲張らずに今の幸せに感謝しようと。
なぜそのように思うのかといえば、漫画「美味しんぼ」に出てくる、トンカツ慕情という話を、小学生の時に読んで衝撃を受けたからです。
話のあらすじは、貧乏の中で日々の仕事を一生懸命働いている青年が、給料日に不良に襲われ、給料を盗まれてしまう。
貧乏生活の中、身も心も打ちのめされて弱っているところ、トンカツ大王という店を経営するトンカツ屋の主人に助けられトンカツをごちそうになる。
貧乏生活の中で、トンカツというごちそう、主人の優しさ、主人の温かい言葉に青年は今後の希望と勇気が湧く。
その後青年は、夢を実現させるために海外へ渡る。海外で大成功を収め、数十年ぶりに日本に帰ってきて、再びあのトンカツ屋に向かったが、
もうそのトンカツ屋はどこにもない。また、他の店のトンカツを食べても当時のトンカツの味とは何かが違う。
見つからないトンカツ屋探しに、東西新聞社が協力し、トンカツ屋の主人は見つかった。
トンカツ屋の主人は、悪い人に騙され、店を失ってしまい、今では老人ホームで隠居暮らしをしていた。
だが、決して腕は衰えていないと、寂しそうに言っている。
東西新聞社の計らいで、料理店で当時の青年とトンカツ屋の主人は涙の再開を果たす。
青年は料理店の厨房を使ってトンカツを作って欲しいと主人に依頼する。
だが、主人はトンカツ屋をやめた理由は、店を取られたからだけではないと話す。
質の良い豚肉が手に入らなくなったからだという。
だが、東西新聞社の山岡の計らいによって、必要な材料は全てそろっていた。
トンカツ屋の主人は何年かぶりにトンカツを作ったが、腕は衰えておらず、その味は当時のままだった。
当時の美味しさに喜んだ青年は、この腕なら再びお店をやっていけるねと、主人に伝える。
だがもう店なんて無いと、悲しい顔をする主人。
え、店の看板を見なかったの?と話す青年。
慌てて店を飛び出し、トンカツ屋の主人が見たものは、トンカツ大王という看板。
青年は、当時の恩返しとして、店まるごとプレゼントするのであった。
これで話は終わるのですが、そのトンカツ屋の主人が打ちひしがれている青年にかけた言葉が、大変印象深いものです。
「トンカツを食べたい時にいつでも食べれる、それが人間偉過ぎもしない貧乏過ぎもしないちょうどいいってことなんだ。」
この言葉には、小学生ながら本当に衝撃を受けました。
幸せとは決して贅沢なものでも何でもなく、目の前にある幸せを実感できることなのではないのかと思ったからです。
幸せを実感しそれに対して感謝をする。
それが出来なければ、いつまでたっても幸せを実感することなど出来ないと思います。
分を知り、幸せに感謝し、またその幸せが逃げていかないように、日々過ごしていきたいものです。